「宇宙船地球号」という言葉を編み出したのはバックミンスター・フラーだったと聞いたことがあるような気がするが、山手氏は、将来人口問題と食糧危機が起こることを予見していたようだ。
『宇宙瞑想』で語っているが彼の社会的活動の原体験として、戦争とその後の苦難があったらしい。
記憶によると彼の話の中にこういうのがあった。以下はかなり私による改変を含む。地球を宇宙船と見て、それがこの先宇宙空間を旅していくとすれば我々は乗組員のようなものだ。なるべく、地球上の資源を使わないようにしなければこの先旅を続けていくことは出来ない。そのためには、よく眠る社会が必要である。よく眠ることの効用は何か。それは多く食べなくても済むようになる。その分、資源の消費が減る。またあまり動かないことによってエネルギーの消費も減る。その代わり、夢でどこかに行った気になる。
この、夢でどこかに行った気になる、というのが私にとってはある意味で画期的な考えだったのだが。夢でどこかへ行った気になることと、現実にどこかに行くことと、どちらが自分にとって豊かな体験なのか。一長一短があり、少なくとも私にははっきりと決められない。