東京で満員電車に詰め込まれた経験もあるが、以前から、東京一極集中を解消するにはどうすればいいのかと考えていたことがあった。
人体との比喩で考えてみると、これは頭脳に権能が集中している状態である。そういえばグルジエフはそのことによって無意識というものが形成されたと『ベルゼバブ』で書いていた。吉本が、全国にお笑い芸人を派遣してレポートさせるという番組を始めたようだが、こういうところにはやはり時代の波を感じていいのだと思う。
気功で考えると腕をブンブン振り回して末端にまで血行を行き渡らせたりする。これは続けていると回路が太くなっていくのでそれほど回数をやらなくても済むのだが、あるいは火の呼吸などの技法では横隔膜運動によって衝撃を全身に行き渡らせるのである。
いずれも意図した運動によってその効果をみている。
田中角栄などが日本列島改造計画などといって、新幹線や高速道路を全国に付け始めた。ところが逆に人口が都市部に集中することになった。逆ストロー現象というらしい。小室直樹などは、運賃を逆進性にすればいいと提唱したが、こういう革新的な意見はなかなか取り入れられない。かくして東京一極集中が促進されることになった。
今回の原発事故で、それが解消する景気になるだろうか?今回の事故はいわば脳の近くに大怪我したようなものか?比喩だからなかなか厳密には行かないが、ただ東京が名古屋になろうと大阪になろうとそれは場所が替わっただけのことで大した意味はない。むしろこのことによって機能自体が大きく変化してしまうこと。
政治機能も毎日毎日、落胆するばかりのどうしようもなさをさらけ出している。大した仕事もしていなかったのがバレた原子力なんとか委員会も、それだけで年収は一千万を超えるという。今回の事故があったから原子力委員会は明らかになったが、同種のものがたくさんあってそれで税金が浪費されているのに違いない。
しかしこれだけでは変わらないだろうか。ある種の予言ではこうした災難が次々に降りかかると予言されている。機能不全は既に日本国民にとっては災難ではなかったか。